狐の嫁入り

8番運行
物語部門

狐の嫁入り

東本町若連囃子:升形囃子若連
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解説

 日照りに悩む村では、村外れにある池の龍神さまに雨乞いをお願いした。そして龍神さまに捧げる生贄として狐を騙して捕まえることにした。
 村で頭が良い五郎兵衛は、人に化ける狐たちが居る村の長と話し、色白で美しい狐の娘・お紺を働き者の竹蔵に嫁入りさせることにした。実はこの嫁入りは、お紺を騙して祝言の席で捕まえるための五郎兵衛の算段だった。
 そして迎えた祝言の日に五郎兵衛の魂胆を知った竹蔵がお紺を逃がそうとするも、お紺は逃げません。お紺は以前から働き者の竹蔵が好きで、いつも村に来て竹蔵のことを眺めていたのです。愛する竹蔵と、竹蔵が愛する村のために我が身を犠牲にすることを選んだお紺が竹蔵に伝えたのは、「あなたと少しの間だけでも夫婦になれた私は幸せ者です。」
 お紺の強い願いにより祝言は最後まで行われた。祝言が終わり、お紺は竹蔵に別れを告げると、生贄として龍神さまに連れ去られてしまった。
 そして、神主が雨乞いの祝詞を奏上すると空は晴れているのに、大粒の雨が降りだした。まるでお紺の涙のように。
 その雨を村人が喜ぶなか、竹蔵はその後もお紺のことを悔やみ続けるのです。

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