風流 肘折 小松淵の白蛇

7番運行
物語部門

風流肘折 小松淵の白蛇

大正町若連囃子:休場囃子若連

解説

およそ千二百年前、この地を訪れた源翁が、地蔵の化身である老僧に導かれ発見したとされる肘折温泉。この地の小松淵という渓谷に今から約三百年前の昔、巨大な大蛇が棲みつき、這いあがっては豪雨を降らせ、田畑を荒らし、不思議な赤い橋に化けて怪我をさせたという。時には命を奪うと噂され、村人から「小松淵の主」と恐れられていた。これを聞いた時の新庄藩主香雲寺様(二代目藩主戸澤正誠)は「予が領土に吾以外の主はいらぬ。退治せよ」と剛力の勇将、小山八郎に命じた。八郎は奮然と淵に飛び込むと、そこには小松淵の岩山を七巻き半もする巨大な白蛇が横たわっていた。大格闘の末、とうとう八郎が大蛇を切り伏せ仕留めたところ、大蛇はずるずると淵の深みに沈みこみ、とめどなく流れる真っ赤な血潮は、七日七晩も銅山川を朱に染めたのだという。
時は流れ、高山武右衛門の先祖が肘折八景の一つとして次のように詠んでいる。
君が代は久しかるべき小松淵、そこは千尋のみどりなりけり。
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