紀州成寺を舞台とした、安珍・清姫伝説の後日談です。
桜満開の道成寺・清姫の化身だった大蛇に鐘を焼かれた道成寺は長らく女人禁制となっていた。以来鐘が無かったが、ようやく鐘が奉納されることになり、その供養が行われることとなった。
そこに花子と桜子という美しい二人の女がやってきた。聞けば白拍子だという。花子と桜子は「鐘の供養があると聞いたので拝ませてほしい」と言う。若い僧たちは白拍子の美しさに、舞を舞うことを条件にして鳥帽子を渡し入山を許してしまう。花子と桜子は舞を舞いながら次第に鐘に近づいて行く。若い僧たちは二人が実は清姫の化身だったことに気付くが時遅く、とうとう二人の清姫は鐘の中に飛び込んでしまう。すると大蛇が現れ二人の清姫は釣鐘もろとも去ってゆく。
