山車徹底解剖

山車は神を招くための道標であり、神へのお供え物

神に捧げるものであるからには季節を問わず、春には春の美、秋には秋の美、
最も美しい花々を供えるという考えが山車作りには根付いています。

  • 1人形にんぎょう

    人形の頭と手、露出した足は、人形師の野川家から借りたもので、彫刻したものと型抜きしたものがあり、胴体はワラをさらしで巻いて作ります。人の化身で魂が入っています。

  • 2動物/生物どうぶつ/いきもの

    大蛇や竜・キツネなど、題材によって作られます。動物の毛並みには断熱材のガラス槻維を使うなど、本物らしく見せるよう工夫を凝らします。

  • 3やま

    山は神を招くところ。どの山車にも山は作られ、一番最初に作ります。段ボールや金網などに和紙を貼り、町内独特の色を塗ります。

  • 4やかた

    豪華な館は町内の誇りです。町内の財産として大切に保管し、毎年場面に合わせて色や仕上げを調整します。

  • 5たき

    山には必ず滝がつきます。滝は水の神様を表します。

  • 6まつ

    松は神を招く目印とされています。山車には必ず飾ります。金と銀の短冊が下げられ、一層華やかになります。

  • 7さくら

    松・ぼたんとともに、桜は山車に欠かせない三種の神器。少ないと淋しいものです。松と同様、これにも金と銀の短冊が飾られます。

  • 8牡丹ぼたん

    ぼたんは女性の姿を表すと言われています。花をくくりつけるのは、春にピンクの花をつけるガザ木で、釘がよくききます。

  • 9紅葉もみじ

    紅葉は山車をにぎやかにするのには最高の飾り物です。もみじやあやめ、牡丹などは降臨した神をもてなす供物の意味もあるようです。

  • 10波・波しぶき

    海の波と川の波では違います。海の波は青地に白を描き、川の波は白地に青を描きます。波しぶきは、本物らしく波が揺れている感じを出すために、竹の棒などの先に粘土をつけて。重みをつけています。

  • 11はりだし(舟)

    山車の先頭部分は「はりだし」と呼ばれ、舟のへさきのようになっているので「舟」とも呼ばれます。

  • 12幕の中

    格納庫になっています。宵まつりに山車をライトアップする発電機もここに取り付けます。

風流(ふりゅう)とは

題名の前に必ず付く「風流」は、「華やかに雅びをこらす」という意味で、わざと大袈裟に飾りをつけた華美な服装で、面白おかしく歌舞伎や物語の場面を再現し、時空を超越するという意味に解釈されています。
これがあるため、時代考証にとらわれず、季節や空間を超えて独特な各町内の山車が作られます。

山車運行を支える人々

  • 町旗

    各町内の町旗を先頭にパレードが進みます。

  • ひき手

    山車は各町内の子どもたちがひきます。チェレンコヤッサーのかけ声も勇ましく、誇らしい顔でひき手を務めます。

  • 舵取り

    舵取りは大変な仕事。圧力に耐えながら山車の安全を守ります。

  • 電線上げ

    山車が引っかからないよう特製の竿で電線を持ち上げます。

  • 囃子

    近隣の若衆が囃子を演奏します。太鼓・笛・鉦・三味線と各若連によって演奏の仕方も曲調も違います。

    囃子の詳細