最上三十三観音「庭月観音伝説」

14番運行
物語部門

最上三十三観音「庭月観音伝説」

沖の町若連囃子:山屋囃子若連
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解説

 時は室町、出羽の国の守護である斯波家五代斯波頼宗の娘に輝くように美しい姫として光姫がいた。
 一方、北へ二十里奥州鮭延城に庭月の領主横川大膳国景あり。光姫を見始めた大膳は、結婚を申し込むが身分が違うと断られ処刑された。
 大膳の死に心を痛めた光姫は乳母の信夫とともに城を出た。ゆく当てもない旅に疲れ切った光姫は草枕でうとうとしていると庭月聖観菩薩が夢枕にお立ちになり微笑んでおられた。はっと目を覚ますと巻物があり、願三十三番庭月観音は奇しくも大膳の領地であった。悲しみと怒りに囚われていた光姫の心は観音妙知力により洗浄と安らぎを得、目から涙が一滴こぼれ落ちると、涙のしずくは真っ赤な姫百合となって庭月に咲き誇り、大膳は光姫の想いに包まれて安らかに黃泉へと旅立った。
 年に一度の灯籠流し、天に輝く天の川のように。

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