風流 義経千本桜「川連法眼館の場」

12番運行
歌舞伎部門

風流義経千本桜「川連法眼館の場」

松風会囃子:不明

解説

吉野山中川連法眼の館に滞在した義経のもとに、久々にて、靜御前に供をさせておつた忠信が挨拶にきておつたがその言動、動作が、ふにおちないでおる処に………
また忠信が訪れて来たという知らせがあり、二人の忠信に不信を抱いた義経は「静」にその正邪を質した処「静」は“この賜まわつた「初音の鼓」を打つと、忠信は必ずどこに居つても現われる”言上した。
早速鼓を打つと、先に訪れておった忠信は、実は狐の化身である事が判つたのである。
狐忠信はその初音の鼓は自分の親の皮をもって作られたもので、鼓も慕い………………
畜生と云えども親に孝行をいたしたく、「義理人情もわきまえております。」と申し述べれば、義経はその真心にうたれて許し、初音の鼓を狐忠信にくれてやつたのである。此の時、横川覚範(実は平家の大将能登守教経)が白刃をかざして“義経覚悟”と追つてくるが、狐の通力で、覚範が一山の暴徒を引きつれて押し寄せてくる事を事前に知らされたのである。そして覚範は捕えられるという親狐を慕う子狐のローマンスが中心となつている。
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